ハーモニックマイナースケール
ナチュラルマイナースケールを少し変化させたマイナー調のスケールに、「ハーモニックマイナースケール」という音階がある。
ナチュラルマイナースケールの並びは、「全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音」で、「ド」が始まりの音なら「ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド」という音階になる。
「ハーモニックマイナースケール」は、ナチュラルマイナースケールの第七音を半音高くした音階だ。
なので、「全音→半音→全音→全音→半音→一音半→半音」という音程差の音の並びになり、「ド」が始まりの音であれば「ドレミ♭ファソラ♭シド」という音階になる。
ナチュラルマイナースケールとはまた少し違った雰囲気のスケールとなり、最後の第七音から主音の音にかけてがナチュラルメジャースケールの音程差の並びになっているので、少し明るいような雰囲気も感じられるのが特徴だ。
メロディックマイナースケール
また、ハーモニックマイナースケールを少し変化させたマイナー調のスケールに、「メロディックマイナースケール」という音階がある。
「メロディックマイナースケール」は、ハーモニックマイナースケールの第六音を半音高くした音階だ。
なので、「全音→半音→全音→全音→全音→全音→半音」という音程差の音の並びになり、「ド」が始まりの音であれば「ドレミ♭ファソラシド」という音階になる。
”あれ?これってナチュラルメジャースケールの第三音を半音低くしたものだよな?”という事に気が付かれた方もいらっしゃると思うが、全くのその通りで、ナチュラルメジャースケールの第三音にフラットを付けた状態のスケールとも言える。
なので、「メロディックマイナースケール」は、始めの方はマイナー調だが、後半からはメジャー調の雰囲気になる音階だ。
この音階は、ジャズやブルースなどで多用される音階で、メジャーとマイナーの両方を行き来する事が出来るので、表現がより細かい楽曲で用いられる。
メジャーとマイナーの分かれ道
スケールのメジャーとマイナーを分けているのは、音階における「第三音」だ。
「第三音」というのは、「ドレミファソラシド」であれば「ミ」の音だ。
つまり、始まりの音から数えて三番目の音の事だ。
この「第三音」が、主音から二音(全音二つ分)離れているのであれば、メジャー調のスケールになる。
「第三音」が、主音から一音半(全音一つと半音ひとつ分)離れているのであれば、マイナー調のスケールになる。
これは、スケールだけでなく、コードにも言える事だ。
コードと言うのは、根音の音に三度音程で音を積み重ねるのだが、三度音程で積み重ねる一つ目の音が根音の音から短三度(一音半)離れた音を積み重ねた場合にはマイナーコードになり、長三度(二音)離れた音を積み重ねた場合にはメジャーコードになる。
このように、スケールであれ、コードであれ、マイナーとメジャーの違いを作っているのは、「第三音」の音だという事がよく分かる。
上記のサイトで、基礎的なスケールについての説明がされているので、そちらを参照して、音階の神髄に触れてみると良いかもしれない。